第11回シンポジウムは終了しました
「グランドデザイン2040(答申)」が出されたのが2018年。その後の社会情勢は、コロナ禍、グローバリズムの段階的崩壊、気候変動の激化、AI技術革新の加速化、そして我が国の18歳人口の加速的減少等々、想定外の事例が沸騰しています。
とりわけ、2022年の出生者数が77万人となり「グランドデザイン」が想定していた2040年の18歳人口の88万人を大きく割り込んだことが、白日の下に明らかになりました。2022年の専門学校を含む高等教育への進学者が79万人でしたから、全員が進学したとしても、定員が2万人過剰になる計算になります。
またDX、GXに対する社会的ニーズが加速的に高まり、総合知を備えた高度な専門的人材の育成と国際競争力を有する研究力の高度化が、高等教育すべての分野に課せられた大きな課題となりつつあります。
しかもアフター・コロナの社会が求める新たな社会の中で、グローバル標準の“学位プログラム”を実現し、グローバル社会が要請する人材を育成し、国際競争力を有する研究力を強化しなければならない――というこれまで直面したことのない課題に着実に応えていかなければなりません。
本シンポジウムでは、①激変する社会環境の中で、大学が取り組むべき経営改革、教育力・研究力の強化の方向性に関して、文科省の支援施策の現状と将来展望を文部科学省の方から示唆していただくとともに、②私学大学の視点から大きな改組を進めている日本女子大学の篠原聡子学長、また国立金沢大学の大学改革・競争力強化に向けて先進的に取り組んでこられ、新たに福島から創造的復興の中核拠点を目指す福島国際研究教育機構の山崎光悦理事長、③私学ガバナンスに造詣の深い大河原遼平弁護士、大学の資産運用に深い知見と経験をもつ㈱IBJ代表取締役松田裕視氏から示唆に富んだ教示をいただきました。
京都会場にお越しの皆さま、オンライン参加の皆さま、多数のご参加をいただき誠にありがとうございました。このシンポジウムを機に大学経営の諸課題を明らかにし、大学の「生き残り」戦略の推進の一助に資することができれば望外のことと存じます。
【プログラム内容】
危機の時代の大学経営2023 我が国の高等教育改革の現在と将来 | |
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主催:大学改革推進フォーラム(株式会社NPCコーポレーション) | |
基調講演 | 我が国の高等教育政策の動向 |
文部科学省高等教育局長/池田 貴城 氏 ※池田局長は国会対応のためご欠席となりました。代わりに文部科学戦略官伊藤学司様が、急遽京都会場に駆けつけていただきご講演を頂戴しました。 |
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事例紹介 | 日本女子大学の改組改革 |
日本女子大学学長/篠原 聡子 氏 | |
国立大学改革の先進事例から ~福島の創造的復興の中核拠点形成を目指して~ | |
前金沢大学学長、福島国際研究教育機構理事長/山崎 光悦 氏 | |
問題提起 | 法改正を機に、私立大学のガバナンス改革とその課題 |
TMI総合法律事務所パートナー弁護士/大河原遼平 氏 | 大学運営を牽引する米国大学基金の資金運用の基本的考え方 |
株式会社IBJ代表取締役/松田 裕視 氏 | |
パネルディスカッション | 我が国の高等教育改革の現在地と将来像をめぐって |
<コーディネーター> 元日本私立学校振興・共済事業団理事長/河田 悌一 氏 | |
特別プレゼンテーション | Z世代によるZ世代のための広報・広告戦略 |
Fiom合同会社CEO/竹下 洋平 氏 | |
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