ご挨拶
18歳人口の減少、大学進学率の伸び悩み等、我が国の大学は生き残りをかけた厳しい競争の最中にあります。これまでの入学定員の増加、新学部・新学科の増設、施設・設備の拡充等、どちらかといえば「量的拡大」に重きを置いた競争から、質を向上し、「大学の総合力」を高める競争の時代に入ったといってもよいでしょう。
大阪の老舗印刷会社NPCコーポレーションは、従来より数多くの大学よりさまざまな印刷物などのお仕事をさせていただいていますが、単に印刷物の注文を受けるだけではなく、より信頼を頂くために大学が抱えるさまざまな問題に対して微力でも相談相手になりたいとの思いで、『大学問題研究所』を2007年に創設いたしました。
大学のより望ましい発展を実現するために本研究所では関西に立地する国公私立大学が抱えている課題を摘出し、解決方策の検討を行い、折に触れて課題レポートを各大学に提出し、総合的に調査研究活動を進めています。その一環として、各大学の「自己点検・評価報告書」をはじめとする公表データを収集するとともにアンケートを実施し、大学の経営資源を、「入学力」「教育力」「研究力」「学士力」「社会力」「財務力」という6つの軸から分析し、それらを「大学力」として総合評価することを考えています。そしてそれに基づき大学経営の現状を把握・分析、課題解決の方策を考察し、成長戦略をご提案してきました。
また『危機の時代の大学経営』シンポジウムなどを通じて、大学が現在抱えている諸課題を解決し、より豊かな将来像を実現する一助となるため、微力ながら邁進していく所存です。大学関係の皆様は申すまでもなく、経済界その他関係各位には、従前にも増してご支援を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。
出典:総務省統計局/統計ダッシュボード「人口ピラミッド」より作成